冬至は二十四節季のひとつです。
北半球では太陽の南中高度が最も低くなるので、1年のうちで一番昼が短く、夜が長い日で、毎年12月22日頃にあたります。
古来、冬至は一年で最も日が短く、この日を境に昼間の時間がのびていくため、中国の太陽暦で冬至は暦の起点とされ、厳粛な儀式を行っていました。
日本には中世になって伝わり、宮中では19年にいちどめぐってくる、旧暦11月1日の冬至を「朔旦冬至(さくたんとうじ)」といって祝宴を催していました。
冬至の次の日から少しずつ日がのびていきますが、寒さはこれからが本番。
寒さに備えて体力をつけ、栄養のあるものをとるようにしましょう。
昔の人々は夜が長いことを死に近づくことだと考え、その厄からのがれるために、無病息災を祈る様々な風習を残しました。
ゆず湯に入ったり、かぼちゃやこんにゃくを食べたり、赤い色が邪気を祓うと考えられ、南京と小豆をいっしょに煮た冬至南京や小豆粥、赤飯を食べるのは冬至の代表的な風習です。
他に「ん」や「と」のつく食べ物を冬至に食べると、風邪をひかないで長生きをする、一年中お金に困らない、厄除けになる、運が呼び込め幸運が得られるといった言い伝えがあります。
「ん」のつく食べ物
なんきん(かぼちゃ)、だいこん、みかん、こんにゃく、こんぶ、にんじん、うどん、ほうれんそう、かんてん、れんこん、きんかん、ぎんなん 等
「と」のつく食べ物
豆腐、とうがらし 等
「ん」が2つつく食べ物、南京・れんこん・人参・銀杏・きんかん・かんてん・うんどん(うどん)は、運をたくさんとりこめる冬至の七種(ななくさ)といい、京都では冬至の日に七種類の「ん」を食べる風習があります。
なぜ冬至にかぼちゃを食べるの?
冬至にかぼちゃを食べる風習は江戸時代に始まったもので、「冬至にかぼちゃを食べると、中風(脳血管疾患)にならぬ」「悪病除けになる」「病気にかからない」「風邪をひかない」「しもやけにならない」といわれていました。
特にかぼちゃは、旬の夏に採れたものを冬まで残しておいたものなので、霊力が強く、効果が高いと信じられていました。
かぼちゃは栽培が簡単で、長く保存することができ、身体に抵抗力をつけるカロテンや風邪予防によいとされるビタミンC・Eがたくさん含まれ栄養が豊富なので、かぼちゃを食べて冬の野菜不足を補ったといわれています。
冬を健康に過ごすための生活の知恵だったのです。