2014年5月、中央区民カレッジ講座で、月島社会教育会館にて20名の参加者に大人の食育講座を行いました。
当初15名定員で募集をしましたが人数が増え、教室はいっぱいでした。
初めに「小金井まちなか歩きガイドブック」と「東京小金井江戸東京野菜リーフレット」を示しながら、月島からはちょっと遠方の小金井市の紹介をしました。
その際、「小金井に行ったことのある方は?」の問いに4名が手を挙げて下さり、0名でないことに安堵し、重ねて小金井のイベント等を紹介し「一度小金井を訪れてみてください。」とアピールしました。
この講座は「大人の食育講座」で月1回の全4回シリーズ。
内容は江戸東京野菜についてです。
第1回目は和食がユネスコの無形文化遺産に登録された意義と春・夏の江戸東京野菜についての解説をする座学に食べ比べ、試食。
2回目以降はテーマを決めた江戸東京野菜の食べ比べと料理教室です。
受講者はまず、東京に伝統野菜である「江戸東京野菜」があること、そして思いのほか種類が多いことに驚きます。
そしてそれをどんなふうに食べるかへ興味がいきます。
そこで食べ比べですが、今回はしんとり菜と白菜、伝統小松菜(後関晩生小松菜)と一般流通の小松菜を食べ比べました。
最初は中々違いが分からない方もおられましたが、食味や食感の違いをそれぞれが自分なりに感じとられたようでした。
生の小松菜を食べたことがない方がほとんどで、全体的に新鮮な驚きがあったようです。
そして最後に「伝統小松菜の海苔和え」と「しんとり菜と手羽先のスープ煮」を試食していただきました。
ここで「しんとり菜と手羽先のスープ煮」を紹介します。
●しんとり菜と手羽先のスープ煮
<材料>4人分
しんとり菜約3/4束(150g)、鶏の手羽先8本(約300〜350g)、
はるさめ80g、干し椎茸1枚、生姜15g、細青ねぎ5本(25g)、
塩小さじ1/2、酒大さじ1、醤油大さじ1、胡麻油大さじ1、
水4カップ、干し椎茸の戻し汁1カップ
<作り方>
- しんとり菜は、4〜5cmの長さに切り、生姜は千切り。
細青ねぎは、小口切りにする。
- はるさめは、水に浸けてしんなりしたら食べやすい大きさに切る。
干し椎茸は、1カップ強の水で戻し千切りにする。(戻し汁は使う。)
- 手羽先は、ボウルに入れ塩・酒を加えて揉み込み、ごま油を熱した
フライパンで両面をきつね色に焼く。
- 鍋に手羽先、千切りの生姜と干し椎茸、水、干し椎茸の戻し汁を加えて
強火にかけ、煮立ったらアクを丁寧に取り、火を弱めて30分煮込む。/li>
- 4にはるさめとしんとり菜を加えて、しんとり菜の色が鮮やかになったら、
醤油を加えて火を止める。
- 器に盛り、青ねぎを散らす。
私自身、江戸東京野菜にかかわって8年ほどになりますが、まだまだ「知られざる野菜」です。
ただ、伝統野菜とは、その野菜を育んできた地域のものであり、なかなか広がらないのはもっともなこと。
京野菜や加賀野菜なども、現在はブランド野菜として全国区になりましたが、それまでには長い道のりがあります。
全国区にならずとも、その地域の伝統野菜として認識され、守り継がれていくことは、とても意義深いことです。
江戸東京野菜が「東京の伝統野菜」として認識が高まることで、新しい食文化の構築につながることを期待するとともに、食育のツールとしても受け継がれていくことを希望します。