食中毒の画像 「食の安全コラム」では食品の安全性についてお伝えしていきます。
 第2回目は、食中毒の具体的な「種類と症状」についてです。

食中毒の原因は大きく3つに分かれます。 以下が食中毒を原因別に分類したものです。

1. 細菌によるもの

食中毒の90%を占め、次の2つのタイプがあります。
1. 感染型 食品の中で増殖した細菌が、消化管の中で増殖し急性胃腸炎の症状を示すものです。 代表的な細菌としてサルモネラ菌、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、カンピロバクター菌などが挙げられます。
2. 毒素型 食品中の細菌が作り出す毒素によって発症するものです。 これには食品内で毒素を産生するタイプ(ボツリヌス菌、黄色ブドウ球菌)や消化管内で毒素を産生するタイプ(O-157)などがあります。

2. ウイルスによるもの

最近ではノロウイルスによる食中毒が多発しています。

3. 細菌・ウイルス以外のもの

1. 化学物質が原因のもの ヒ素中毒、ヒスタミン中毒など
2. 自然毒が原因のもの ふぐ毒、きのこ毒など
 

食中毒の発生頻度が多いのは細菌性・ウイルス性のものです。 主な原因菌と症状を表にまとめてありますので参考にしてください。

原因菌と潜伏期間 感染源と発生要因 主な症状

黄色ブドウ球菌

1〜5時間
手指の切り傷や化膿、糞便 嘔吐、下痢
発熱は稀

病原大腸菌

O-157は3〜9日
他は5〜72時間
保菌した牛などの糞便や汚染
ヒト、動物、生肉など
腹痛、下痢、
出血性下痢や腹痛

サルモネラ菌

6〜48時間
食肉、調理食品、卵など
調理者の手指、調理器具
悪寒、嘔吐、腹痛、下痢
発熱は38度前後

腸炎ビブリオ

5〜40時間
海産魚介類とその調理食品
塩分を好み漬物なども
下痢、腹痛、吐き気、嘔吐
発熱は37〜8度

ボツリヌス菌

通常は18〜30時間
缶詰、瓶詰、パック品
ハム・ソーセージ、いずし
悪心、嘔吐
劇症で致死率が高い

カンピロバクター

2〜7日
家畜、家禽の内臓からの汚染
鶏肉の汚染、野鳥糞便からの汚染
吐き気、腹痛、下痢
発熱は38度前後

ノロウイルス

24〜48時間
カキなどの貝類で冬季発生が多い 下痢、吐き気、腹痛
発熱は38度以下

(以上は東京都衛生局食品保健課資料などを参考にして作成)