食中毒の画像 3月は食品表示や産地表示について触れました。 表示の法律は難しく、聞いても混乱する事が多いので今回は具体例を挙げて説明をします。

日本人はうなぎをどれだけ食べているか

日本のうなぎの消費量は年間約10万トンです。 このうち国産は2万トンしかありません。 大部分は中国と台湾で養殖されて生き鰻(主に台湾産)または蒲焼に加工されて輸入されます。
因みに大部分は養殖物で、天然は200トン程度です。

国産と中国産はどう違うか

  1. 国産は日本の沿岸に遡上してくる稚魚を採取して養殖します。 中国では大部分ヨーロッパ産の稚魚から育てます。 同じうなぎでも種類が少し違います。
  2. 見かけは、中国産は体長がやや短く太目です。 開いた形を見ても、国産は図のように長くすんなりしていて区別出来ます。

  3. 味は好みですが殆ど差がないといわれています。 中国産のほうが軟らかくて美味しいという人も大勢います。
  4. 価格は中国産が国産の蒲焼の1/2〜1/3ぐらいと安価のようです。

なぜ中国産を国産とする偽装事件があとを絶たないか

消費者が国産好みで中国産を嫌うのに便乗し金儲け主義の業者が後を絶たない。 JAS法では国内で一時飼育したり、一部加工すれば国産の表示が出来るなど表示に曖昧なところがあるのも原因の一つです。

2010年の土用丑は国産のうなぎは殆ど食べられない 

2010年は日本沿岸の稚魚の収穫が異常に少なく、7月頃のうなぎの出荷の減少が予想されています。

うなぎの将来は

うなぎの産卵からの養殖までの完全養殖の研究が続けられています。 技術の完成には未だ少し時間がかかるようです。 当面は中国産を食べることですね。 大手の流通が扱っているものは安全面も確り管理されていると思います。