食中毒の画像 昨年掲載した食中毒、期限表示に続き、第4回目となる今回は総論的に 「食品安全の課題」について触れてみたいと思います。

平成12年(2000年)に発生した雪印乳業の中毒事件は被害者が多く、原因究明の遅れもあり、食品への不信感が一挙に高まりました。 商品回収の記事やお詫び文書が新聞紙面を賑わせ、この直後から暫くの間、食品の異物事故等が続発しましたが、これは消費者の食品安全に関する意識が敏感になったことを示しています。
偶々、同じ時期に、世界的規模でBSE(いわゆる狂牛病)が発生し、消費者が食品の安全について極めて神経質になりました。 これらの対策のため平成15年に食品安全基本法が公布され、7月には内閣府に食品安全委員会が設置され、新しい食品安全行政がスタートしました。
平成19年から再び食品偽装事件を中心に問題が続発しました。 主なものとして、19年の不二家の期限切れ原料、ミートホープの牛肉偽装、石屋製菓の賞味期限改ざん、赤福の製造日改ざん、比内鶏の原料偽装、船場吉兆の期限改ざんや使い回しなどがありました。
また20年にはJTや生協の中国産冷凍ギョーザの農薬混入、魚秀・マルハG他のうなぎの産地偽装、三笠フーズ他の汚染米転売、中国産粉ミルクのメラミン混入、伊藤ハムの用水汚染等が続発しました。 昨年(21年)は一部に産地偽装などはありましたが、企業や行政の努力の成果もあり、食品安全に関する事件はやや沈静化しています。 しかし花王のエコナのトクホ取り下げのような新しい課題も発生しました。 また中国産冷凍ギョーザ事件は発生後2年経過しますが、未だ原因の究明もされていません。


1)食品の法規と表示

食品に関する主な法律に食品衛生法とJAS法があります。 これらに違反すると偽装事件などが起こります。

消費者として関心の高い「食品の表示」について(3〜5月)


2)アレルギーの表示について

加工食品にはアレルギー表示が義務付けられています。

アレルギーの起きやすい食品とその表示について(6月予定)


3)放射線殺菌の現状

日本でもじゃがいもの発芽防止に許可されていますが、放射能が危険という誤解もあり、殆ど利用されていません。 欧米等では色々な食品に放射線(ガンマ線)殺菌が応用されています。

その実態と安全性について(7月予定)


4)遺伝子組換え食品の動向

世界の農作物への導入状況とその安全性と問題点について(8月予定)


5)BSE(狂牛病)の現状は

BSE発生の状況とその対策について(9月予定)


6)中国産冷凍ギョーザ事件の原因と防止対策

その原因の推定と対策としてのフード・ディフェンス(食品防御の対策)

中国産の食品は危険かどうかについて(10月予定)


7)食品添加物について

農薬と共に不安の主役とされています。

その必要性と安全性について(11月予定)


8)農薬について

その必要性と安全性について(12月予定)


9)栄養成分表示について

栄養成分の概要とその表示について(2011年1月予定)



以上の予定で進めますが、新しい重要な課題が発生すれば予定を変更して、わかりやすく説明をするつもりです。
食品安全の話題は興味本位で行なうと不安や不信だけが残ります。 正しい知識で理解することにより、楽しい食事が出来るとともに、食材のロスを防ぐことも出来る筈です。 食の正しい知識は、乳幼児から高齢者迄のあらゆる層の食育に役立つものと信じます。